7stories 2階 深い青が見せるものづくりの魂
2020.11.25
マテリアルの存在感が尋常じゃない。
この部屋のデザインしていただいたのは、常滑で「水野製陶園」としてタイルを作りながら、建築設計事務所をしている水野太史さん。
最初にこのプランを見せてもらったときの初めての感想としては、
「いやいや、素材のパワー強すぎでしょ(笑)」。
まだ上記のようなプランとして目に見えるところまで行く前の段階で、「こういったタイルを使うつもりだ」と言われて、見せてもらったタイルの吸い込まれそうなまでの深い青。
その段階で、「このタイルが使われている部屋」のイメージがぶぁーっと広がって、少し笑ってしまったくらいでした。
見せていただいたのは、こういったムラ感のあるタイルで一つ一つのタイルの印象が大きく違う。
でも、並べてみたときには全然バラバラの印象じゃなくてきちんと意味のあるものとして成立してしまう感じ。
僕は7組のデザイナーにデザインをお願いする立場なわけですが、見てて思わず口に出てしまった言葉は、「これはずるいなー(笑)」でした。
別に勝ち負けではありませんが、この素材を使うだけで他のデザイナーは勝てないんじゃないか?と思ってしまいました。
それくらいマテリアルの説得力が強いと感じたことを覚えています。
そして、僕らの「宿泊施設(短期滞在)と滞在施設(マンスリー利用)の両立をお願いします」という結構、無理目・無茶目のリクエストに対しても同一サイズのユニット家具を複数組み合わせるという形で見事に、回答していただきました。
このユニット家具は汎用性が高く、並べればベッドに、積めば棚に、単体で椅子になります。
一般的な宿泊施設やマンションでは見ない、床面の「モルタル+タイル仕上げ」。
こちらもいまからどんな感じに仕上がるのか本当に楽しみです。
床材がどうしてもこういった、硬質のものになると「音」の問題が出てきます。
そのため、水野さんデザインのこの部屋を下階に居室のない2階に設定することにしました。
私達の住む東海エリアは焼き物が盛んです。愛知県の常滑焼・瀬戸物。岐阜県も、美濃焼などがあります。その他にも、いわゆる「ものづくり」のエリアだと言われます。
この水野さんがデザインしてくれた部屋は、東海エリアの「ものづくりの魂」が一番感じられる部屋だと思っています。
オープンした当初のまだ新しい感じと5年くらい経過した後の「経年変化」。
おそらく、この差が凄く美しく感じられる部屋なんだろうなと思います。
いやー、本当にできるのが楽しみ。
※掲載されている画像は2020年9月現在の計画案となります。実際のお部屋のデザインとは変更になる可能性があります。
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